おとなの自由研究

煩悩にまみれた30代OLの趣味ブログです

2/19 「偶然と想像」

だいぶ久しぶりになってしまいました。

どうやって書いていたか思い出せない。。

またゆるーくブログ再開したいと思います。

 

  • 作品:偶然と想像
  • 監督・脚本:濱口竜介
  • 公開年:2022年
  • 鑑賞日:2022年2月19日

guzen-sozo.incline.life

 

<あらすじ>

第一話「魔法(よりもっと不確か)」、第二話「扉は開けたままで」、第三話「もう一度」からなる短編集作品。

3話の話の繋がりはないが映画の題名となっている「偶然と想像」が3話のキーワードとなっているようだ。

第一話は撮影帰りのタクシー内での恋バナから話が展開されている。

モデルの芽衣子とヘアメイクのつぐみは撮影後のタクシーの中で嬉々として恋バナを開始。内容はつぐみが最近出会ったいい感じのカレとの一夜について。

一夜で急速に距離を縮めたいい感じのカレとの出来事を「魔法のようだった」と形容するつぐみ。その内容をノリよくツッコミながら聞き出す芽衣子。

楽しげムードでタクシーを降りたつぐみだったが、その後タクシーに残った芽衣子が向かったのはなんと”いい感じのカレ”のオフィスだった。ここから2つ目の話の展開がされる。芽衣子とつぐみの”いい感じのカレ”且つ芽衣子の元カレカズの痴話喧嘩さながらの会話劇が展開される。ここまでで「偶然」のキーワードは回収。「想像」はこの後のもう一つの展開に隠されている。

 

第二話は大学の教授室で土下座をする学生から話が展開。

土下座をしていた学生佐々木と同じ学部の奈緒はいわゆるセフレ。

最初の会話劇はその2人の逢瀬から始まる。

佐々木は就職が決まっていながらも瀬川教授の授業で単位が取得できず卒業が叶わなかった。そのため冒頭で土下座をしていたのである。

何か瀬川に仕返しをしたいと思い立った佐々木は奈緒に瀬川へ色仕掛けをするように依頼をする。なぜ色仕掛けかと言えばちょうどその時瀬川が執筆した小説が芥川賞を受賞したのだがその小説の一節に瀬川のエロスを彷彿させる過激な表現があったためである。

佐々木の依頼通り色仕掛けを策略した奈緒はお色気モードで瀬川の教授室に向かい受賞作品についての会話劇が展開される。主な内容は過激な表現の朗読を「扉を開けたままで」行うというもの。この会話劇中に「偶然」散りばめられている。そしてこの会話は思いも寄らない展開へ。そしてそのあとはさらに思いもよらない展開へ...

 

第三話は高校時代の同窓会から話が展開される。

夏子は同窓会に参加したもののなんとなく居心地が悪い。積極的に話かけてきた同級生がいるが特に話が弾まない。結局2次会に参加することもなくその場を後にしてしまう。

翌日東京に帰ろうとしたところ夏子が一番会いたかった人にエスカレーター越しに偶然”再開”。相手も”再開”を喜んでいるようだったのでてっきり張本人かと思いきや...

次の会話劇でとんでもない誤解が展開される。おそらくこの内容が「偶然」

そしてこの「偶然」をいい方向に利用した「想像」が最後に待ち受けている。

 

<良かった点>

3話から構成されているためドラマを見るような感覚で気軽に鑑賞することができた。特に一話目の「魔法(よりもっと不確か)」は非常に引き込まれた。

タクシー内での恋バナってなんかすごくイイ!

めっちゃありそうという恋バナの展開でやった・やってない、チャラい・チャラくないなどあーあるある、そうそうと自分も話に加わっているような感覚だった。

もう一つ好きだったシーンは三話目の夏子とあやがとんでもな誤解をすり合わせるシーン。お互いの人生に関わり合いがないのにちょっと似た経験があれば話せるもんなんだなと少し感心。(想像ではあるけど...)

意外と成就しなかった思いとか言えなかった言葉とかってもやもやと心に残るものではあるけどそれは当人に向けて伝えないと解消されないというものでもないのかもなと少し思えた。当時の私はこう思っていたんだよって誰かに伝えられれば昇華されるのかもしれないなって。。

 

なさそうでありそう、ありそうだけどやっぱりなさそうな絶妙なストーリーで面白かった。

シリアスながらクスッと笑わせる要素が要所に散りばめられていてセンスが良い!笑

 

濱口監督は「ドライブマイカー」で注目度急上昇だし今後の作品も楽しみ!!