5/1 「ドラえもん のび太の創世日記」
第16回目です。
この作品も映画館に観に行きました!
なかなか状態の良いパンフレットが手元に残っています。
後半は全く覚えていなかったのですがぐるぐるかき混ぜるシーンはとても覚えています。
大人になってから良さがわかる、、そんな作品だと思います。
・監督:芝山努
・脚本:藤子・F・不二雄
・公開年:1995年3月4日
・上映時間:97分
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*あらすじ
※今回はパンフレットのあらすじをそのまま引用させて頂きます。
まったくのび太くんたらしょうがないんだから。夏休みも半分おわっちゃったっていうのに、まだ宿題の自由研究のテーマも決まってない。ぼくが「友達が何をやっているか見せてもらったら」っていったら「人のまねなんかしたくない」って、かっこつけちゃうし。しかたがないから、またいつものように助けてあげることにしたんだ。それは未来デパートの夏休み宿題コーナーの「創世セット」っていって、自分で太陽系を作ることができるんだ。のび太くんには少しでもいい世界に育てるように努力すること、毎日観察日記をつけること、決して途中で投げ出したりしないことを約束させて、さっそく作ることにしたんだ。どんな世界ができるか楽しみだなぁ。
のび太くんたらもう失敗しちゃったんだ。ぼくが「ちょっとでかけてくるから、その間にちゃんと宇宙をかき回さなきゃだめだよ」っていっておいたのに、遊びに行っちゃって、ぼくがもどってきた時には、できたばかりの太陽が、まわりの小さい星をみんな吸いよせて、宇宙の中は太陽だけになっちゃったんだ。だいたい朝だって小さな星ばかりで大きな星がないとか、アダムとイブはいつ生まれるの?とかばっかり言って、僕に1億年が3時間で見られるように時間調節させたばかりだったんだ。でものび太くんも反省したみたいだったから、僕は時間を戻してあげた。神様の仕事もけっこう地味な努力がいるんだよ。ともかくのび太くんの地球はできあがった。そして8億年がたった。UFOカメラでのぞいてみると雨がふっている。生物の誕生まであと一歩だ。
ぼくたちは生命誕生のきっかけをつくろうと、地球に大きな雷を落とした。すぐに海の中に生物が誕生して進化を始めた。ぼくたちは神様の雲にのっていよいよ地球に出発した。でも陸の上には虫しかいない。ぼくは魚に進化退化放射線をあびせて進化を速めたんだ。でも、その時は知らなかったけど、実は大変なことしてしまっていたんだ。しばらくすると魚は陸に上がり恐竜が誕生した。のび太くんは大喜び、だけどそのすぐ後、地球に小惑星がぶつかって恐竜は絶滅しちゃったんだ。
ぼくたちになかまがふえた。ジャイアンにスネ夫にしずかちゃんだ。ばれちゃったのはぼくのせいだってのび太くんはすねてたけど、とにかくみんなでのび太くんの地球へ行った。地球ができてから46億年。そろそろ人間の数もふえている頃だ。ぼくたちはそこで、のび太くんとジャイアンとスネ夫にそっくりな3人の原始人の子供をみつけた。3人は森の中で道に迷っているみたいだった。のび太くんが「神様なら助けなきゃ」っていうからいろんな道具を使って助けてあげることにしたんだ。でも、のび太くんが神様だってわかってくれたかなぁ。3人が無事に村に帰りつくのを見届けてから、ぼくたちもひきあげたんだけど、みんないい体験ができたって大喜び。これで立派な自由研究ができそうだね、のび太くん。
あれから2万年。氷河期の終わった地球では稲作がはじまっていた。それにしても今日ののび太くんはかっこよかったなぁ。ぼくと一緒に首がふたつの大むかでと戦って、追い払ったんだから。でもまたのび太くんそっくりな兵隊さんがいたんだ。あれはきっとあの原始人の子孫だよね。だってあまりぱっとしない役まわりなんだもの。しかもいけにえの女の子を助けたらジャイアンそっくりで「お嫁さんにして」と追っかけられてね。だけど、のび太くんのお尻に小さな矢がトゲのようにささってたり、なんだかおかしい。まるで人間のほかに、知恵を持った生き物がいるみたいだ。
今日はのび太くんとは別行動だった。のび太くんの話では子孫の人は、スネ夫そっくりな薬師にいじめられている薬草取りのおじいさん。でも大きなカブト虫のような生き物が怪我をしているのを見つけて、直るまで面倒を見るやさしい人だったらしい。で、そのお礼をたくさんもらったんだって。なんだか「すずめのお宿」のお話しみたい。おかげで、子孫は、おじいさんがもらった宝物をもとにとても大きな会社を作ってたんだ。よかったね、のび太くん。でもその野比秀氏は、南極の大空洞を、発見者の出来松博士、しずかちゃんそっくりな秘書のしず代さんと一緒に探検にでかけてしまった。ひょっとして謎の知的生物が関係しているかもしれない。南極点にいったい何があるんだろう。
※(出典)『ドラえもん のび太の創世日記パンフレット』1995,東宝
*解説
本作はとても平和な話だな〜と思います。
出てくる昆虫生物がちょっと気持ち悪いのですが基本的に戦いがなくラストでは話し合いという形で解決するので怖さがありません。
見ようによっては退屈する作品かもしれませんが大人になって見返すとそのくらいがちょうどいい。地球の成り立ちや時代に基づいた展開がなされているので一般的な歴史の知識があれば楽しめるんですよね。またいつもであればのび太はじめいわゆる一行たちが主として物語を推しすすめるのですが本作は見守り伴走をしていく形。なので第三者的目線で冷静になって観られるのかもしれません。
興行成績的には「のび太と鉄人兵団」以降一番低いので子ども向け作品としては成功とは言えない作品なのかもしれません。。
魅力的なシックスマン的キャラクターがいないですしハラハラするような展開はないですしね、、、みんなの先祖が時代ごとに出てくるのは面白かったですが少し役不足感は否めないです。
しかし自分としては当時も好きな作品だったような気がしています。冒頭でも述べましたがぐるぐるかき混ぜて自分で地球をイチから作るのに憧れていました。(ラストは全く覚えていませんでしたが...)
ストーリー展開としては困ったのび太を道具を使って助けてあげるという王道パターン、世界観はパラレルワールドものです。ですがその中で昔の世界に行き、地底世界があるのでだいぶ込み入っています。
下記気になったポイントをピックアップします。
①のび太のある種の自己肯定感を実感
→4人ののび太の先祖が登場しますが、最後ののびひで以外はあらすじにもあるとおり全員ぱっとしない役まわりです。それを実際にドラえもんがのび太に対して指摘する場面があるのですが、のび太はそうだよね〜と完全同意しています。小学生くらいだとそんな現実受け入れられないと思いませんか?!のび太ができない人間でありながらもみんなから愛されるのはこういった自己肯定感の高さがあるのかななんて思いました。
②自己愛が高すぎるスネ夫
→のび太に対してスネ夫の自己愛の高さが露呈されました。自分のテレホンカードを作ってそれを欲しがる人がいるっていう感覚がなかなか痛いものがありますよね、、、
結果的に反響がなかったのでそれに気づいて良かったと思いますが。。
藤子・F・不二雄先生のこういった個性の描き方がさすがだなと感心します。
お金持ちだから良いとか勉強できないから悪いという一元的にとらわれていないのがいいですよね。
③挿入歌(主題歌)のタイミングが絶妙
→本作は海援隊として鉄矢さんが歌っていますが2回作中に曲が流れます。
そのどちらもタイミングが絶妙なんですよね。1回目は原始人を救った後で2回目はチュンコのお宿に帰った後。どちらもいいことがあった後なので爽快感を演出してくれています。
また下記謎ポイントをピックアップします。
①パラレルワールドの出来事なのにタイムマシンで行き来できる?!
→のび太が作った地球=新地球なのでこれはパラレルワールドかと思うのですが昆虫人はなぜ現代の地球に姿を現しているのでしょうか...?そしてタイムマシンで時代を行き来しているのはどうしてなのでしょうか...?
②ラストの解決方法ってそれでいいの?!
→最終的に昆虫人に対して神さまシートを渡して別の新たな世界をつくってもらうことでエンディングを迎えますがなんか複雑ですよね。。
③のび太の祖先の原始人ってあの人だよね、、??
→一目見て思いましたが「のび太の日本誕生」の"ククル"ですよね?!
違うポイントあったら教えて欲しい、、
*使用したひみつ道具
・創世セット
・UFOカメラ
・つかみとりバズーカ
・進化退化放射線源
・タケコプター
・ほんやくコンニャク
・木材磁石
・伝書バット
・オトリロボット
・芭蕉扇
・エアコンボール
・無敵矛と盾
・スペアポケット
・石ころ帽子
・どこでもドア
・お医者さんカバン
・植物改造エキス
・たずね人ステッキ
・ゴーゴー風車
・正体スコープ
20個。ここ数作と比較すると多めでこの作品しか登場しないであろう面白い道具が多いのがポイントです。また懐かしい道具もあります。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・エンディング:さよならにさよなら
前作から一転して、武田鉄矢さんらしい曲だなと思います。
しっとりした良曲です!
-おわり-