おとなの自由研究

煩悩にまみれた30代OLの趣味ブログです

5/13 「ドラえもん のび太の南海大冒険」

第19回目です。

本作は藤子・F・不二雄没後の第1作でありながら興行収入としては当時の歴代最高額を記録した作品です。私もリアルタイムで映画館に観に行き状態の良いパンフレットが今も手元に残っています。今までと同じ「映画ドラえもん」でありながら変化が著しい作品で当時様々な評価があったかと察しますが単純に面白くワクワクする作品です。

 

・作品:ドラえもん のび太の南海大冒険

・監督:芝山努

・脚本:岸間信明

・公開年:1998年3月7日

・上映時間:91分

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*あらすじ

※今回はパンフレットのあらすじをそのまま引用させて頂きます。

「宝島へ!!」

のび太くんたら、「宝島」の本に夢中になっちゃって、自分も宝探しをしたいっていいだしたんだ。しかたがないから「宝探し地図」を出してあげたんだけど、いっぱつで宝物をあててしまった。びっくりした!そんなにあたるものじゃないんだけどなあ。

こうしてぼくたちは宝島めざして旅に出ることになったんだ。ミニの帆船で海へ。のび太くんたらはりきっちゃって、もっと冒険がしたいっていうから、「ほどほど嵐」でちょっとスリルを味わってもらったんだ。でも、海について自由研究をするはずだったんでしょ。どうするの!

しずかちゃんやジャイアンスネ夫もさそってぼくたちは海の冒険を楽しんでいた。伝説復元機で人魚や海の怪物を出したり、島で遊んだり。でも何か変なんだ。のび太くんもありもしない海賊船を見たというし、知らない怪物が船を本当に襲ったり、どうなっているんだろう。その時、異変が起きたんだ!

「海賊船で」

なんと、ぼくたちは本当の海賊たちが活躍していた時代、17世紀にタイムワープしてしまったんだ。しかも、出たとたん、本物の海賊船と衝突、ぼくらの船はつぶされるし、のび太くんは海に流されてしまった。のび太く〜ん!

でも、悲しんでいるひまはなかった。ぼくらを拾い上げた船を別の海賊船が襲ってきたんだ。戦いの中、ぼくは恐ろしいものを見てしまった。ネズミ!ネズミだーっ!あわてたぼくは火薬の樽ごと敵の船にとんじゃった。大爆発!

勝ったのはいいけど、ぼくの大事なポケットがどこかへいってしまった。これじゃ帰れないよ。おまけに海賊の手下に「キューピットの矢」を打ち込まれてしまった。パンチョさん好きだよーっ♡

そのころ、のび太くんはとある島に流れついていた。その島にいたのはジャックという男の子。ことばは通じないけれど、のび太くんとジャックはおたがいに仲良くなっていった。ジャックの友だちのイルカのルフィンともね。でもこの島は変な島なんだ。大きな肉食動物はいるし、いったいどうなっているんだろう。

実はその島こそのび太くんの地図にあった宝の島だった。そして、海賊船のキッド船長とベティが探していたのもその島だった。そして、そこでベティのお父さんのコルト船長と弟のジャックが行方不明になったんだ。島の名はトモス島。海流からするとのび太くんが流れついているとすればこの島だという。行くぞ!のび太くん。待っててね。

「宝島の秘密」

ぼくたちはトモス島に上陸した。ジャングルをかきわけて島の奥へすすんでいく。でも、この島は何だかあやしいぞ。人食い植物は生えているし、空を飛ぶ巨大カメレオンや、クモとハチが合体したような虫が襲ってきたり、変なことが多すぎるよ。のび太くんを助け出すにはこの島の秘密をさぐる必要があるみたいだ。

海賊さんたちはバラバラになっていったけど、ぼくたちはさらに島の奥へとすすんでいった。深い洞窟の中に入ると、火の玉や動く宝箱が襲ってきた。もう、コンピュータ・ゲームじゃないんだから!

さらに先へすすむとと今度は石橋がくずれおちた。ワーッ、下は激流がさかまいているよーッ。ジャイアンが必死に手をのばして流されそうになったベティを助けた。うん、この二人、けっこう仲がいいみたい。

そのころ、のび太くんはジャックといっしょにルフィンに連れられて島の奥へと運ばれていた。のび太くんが、そしてぼくたちが見たものはーーー!?

なんと、この島は未来の犯罪者キャッシュが支配する改造生物製造工場だったんだ。キャッシュは生き物を改造して兵器として高く売ってもうけようとしていたんだ。とらえられた人たちはそのために働かされている。もう怒ったぞ。道具はないけど、ぼく、がんばるからね、のび太くん!!

※(出典)『ドラえもん のび太の南海大冒険』1998,東宝

 

*解説

本作はまさに"アドベンチャー"を体現した作品です。宝探しという目的がワクワクします。冒頭はアドベンチャーを体験するためにひみつ道具を使って演出していましたがいつしか異変を感じ演出ではなく本物のアドベンチャーへ、、宝探しという目的ではなくのび太探し、そして最終的には悪の退治へ。

藤子・F・不二雄先生の原案を要所要所に使っているようですが、発想や展開の幅が広がった印象をもちました。前作同様ドラえもんでなくのび太がはぐれてどうなってしまったかわからないという状況、さらには同時進行でジャックと展開していくという手法はハラハラ感を高めているなと思いました。また、悪の存在であるキャッシュの商売方法が改造生物を製造してそれらを売り飛ばすというものでよく練られているなと感じました。今までの作品ですと時間犯罪者はハンターだったり未来を変えようとしていたりとわかりやすいものでしたが時代に沿った悪と言いますか本当に商売として成立しそうな悪になっています。そして、特に後半のテンポの良さが印象に残りました。アニメ作品に関わらずこなれた映画作品にありがちののめり込みやすさがありました。

今までの作品ですと海という点で「のび太の海底鬼岩城」や「のび太のドラビアンナイト」に近しいものを感じましたが、結末としては「のび太の日本誕生」に一番近いですかね。しかし、何か根本的なところが変わっているなという印象をもちました。ある意味いなたさがなくなったという良い面と過去作品に共通してあった"これぞ映画ドラえもん"みたいな根幹のようなものがだいぶ薄れた感じですかね、、今後は別物として観ていく必要があるのかなと感じました。

あ、でもつまらなくなったとかそういう意味ではありません。作品としては冒頭で述べたとおり面白くよくできた作品だと思います!!

ストーリー展開としてはのび太の希望を道具で叶えてしまうというよくあるパターン、世界観は現実ものかと思いきや過去ものですね。

 

下記ピックアップしたいポイントです。

①オープニングが変わっている

→曲は変わっていないですが最初の音が違ったのでもしや、、と思ったらサウンドと歌い手が変わってました。結構ビックリです!

 

②劇伴も変わっている

→本作より音楽担当が菊池俊輔さんから大江千里さんに変更になりました。なのでいわゆるドラえもんサウンドがなくなっています。ただ一言、淋しい、、、

劇伴でこんなにイメージが変わるとは。。

 

③時代背景に沿った設定なのか英語が目立つ

→ところどころ英語が飛び交っているのが異質感がありますよね。当時私は小学校の高学年だったのですがちょうどその頃から小学校でも英語学習の授業が出始めました。なので流行にのったような背景もあるのかなと思いました。

 

④変わらないタイムパトロール隊の隊長

→こんなに色々変わっているのにタイムパトロール隊の隊長(サングラスでおヒゲ)は変わっていません。安心しますね。

 

*使用したひみつ道具

・宝さがし地図

・夢たしかめ機

・ほどほど嵐

・どこでもドア

タケコプター

・きせかえカメラ

・変身リングカードつき

・伝説復元機

・キューピットの矢

・キャンピングカプセル

・ほんやくコンニャク

・おしり印のきびだんご

・無生物さいみんメガフォン

・ジャック豆

・カラオケマイク

15個です。ほぼポケットが使えない状況だったので使えそうな道具があまりないのが特徴です。ときびだんごの応用版がおもしろかったです。

 

*主題歌

・オープニング:ドラえもんのうた

うた:吉川ひなの

・エンディング:HOT MILK

うた:吉川ひなの

youtu.be

 

まさかのオープニングもエンディングも吉川ひなのさん...!

そもそも歌ってたんだ、、という驚きとオープニングもそれでいったんだという二重の驚きがあります。。

 

 

-おわり-