5/17 「レナードの朝」
おそらく今まで幾度となく借りても観賞せずに返却していた作品。
やっとちゃんと観賞できた。
・作品:レナードの朝
・監督 :ペニー・マーシャル
・公開年:1991年
・観賞日:2020年5月17日
<あらすじ>
レナード少年は元気に遊び学校での成績も優秀な子どもだったが
ある日突然手の痙攣が止まらなくなってしまう。
そこから約30年もの間、生きてはいるが魂を抜かれただけのような
会話もできない状態となり精神病院に入院をしていた。
セイヤー医師は研究専門の医師であったが職を失ってしまい
仕方がなく精神病院で臨床医となる。
精神病院は"おかしな"患者が多く面食らってしまうのだが、
この病院には魂を抜かれたような同じ症状の患者が複数人いることを発見する。
患者たちが何に反応を示すのか確認するために様々な試みをし
患者たちを救えることを確信する。
パーキンソン病の新薬を使うことで効果が出るのではないかと思い立ち
入院していたレナードにこの新薬を投薬する。
そこで見違えるように意識が回復し”普通の人”となったことをきっかけに、
他の患者にも投薬を進め、みなが回復したように思えたのだが
この回復は一瞬の奇跡となってしまった。
医師・患者・家族、さまざまな視点から"生"を描く作品である。
<良かった点>
さすが名作。
そもそものストーリー、展開、配役の完成度が高く、飽きることなく観賞できた。
扱うテーマが精神病ではあるが「カッコーの巣の上で」のような社会的なテーマではなく、あくまでも病の克服が主軸であったため、ブレがなく見やすかった。
セイヤー医師の視点で見れば、医師としての成長ややりがいが見えてくるし
レナードや他患者の視点で見ると奇跡の復活劇とさらなる不安・絶望への向き合いが見えてくる。
家族や他病院スタッフからの視点も感情移入がしやすい。
ストーリーを最高潮にもっていくまでテンポよく展開するのは
名作の鉄板だなと改めて思い知った。
日本映画だと奇跡の復活劇で終わるか恋愛も絡ませて悲劇の終わり方をするようなところをフェードアウトするような形で終わらせたのも個人的には良かった。
最後に特筆すべきはロバート・デ・ニーロの快演。
アカデミー主演男優賞にノミネートされてるが獲れてはなくて残念...
回復以降の演技がリアリティがとてもあって引き込まれた。
作品とともに歳を重ねていて俳優として理想的なキャリアの歩み方だなと思う。
<悪かった点>
いい感じにまとめすぎている感は否めない。
あんなに全員何もなく回復して、全員元に戻ってしまうもの?
事実だとしても少し凹凸つけた方がいいのかななんて思ったり...