4/22 「ドラえもん のび太と雲の王国」
第13回目です。
とうとうきました、一番大好きな作品「雲の王国」。
何度も何度も大人になってからも繰り返し見返した作品です。
久しぶりに観ましたがかなり複雑でシリアスな作品ですね、、
たくさん見どころを語りたいと思います!!
・監督:芝山努
・脚本:藤子・F・不二雄
・公開年:1992年3月7日
・上映時間:97分
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*あらすじ
学校の授業にて。のび太は「天国のある雲はどの辺に浮かんでいるのか」と先生に質問したところみんなから馬鹿にされてしまう。悔し紛れに「天国があると証明してみせる」と宣言。ドラえもんに相談したところ天国なんてないことをまざまざと説明されてしまうが、「ありもしない天国を探すより作っちゃえば?」と提案されそれに乗っかることにした。
雲固めガスや雲ローラー、ロボッターなどひみつ道具を使って雲の上に王国をつくり始めたのび太とドラえもん。雲ロボットを増やして王国づくりに拍車をかけたものの道具の数が足らず、完成にはあと2,3年はかかる算段に、、これではせっかくの王国をみなに自慢できないと落胆したのび太は、パパから株の話を聞いて閃いた!
ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんを集めて何をするのかと思ったら、のび太はパパの株の話を応用して王国の株をみなに買ってもらうようにお願いした。するとスネ夫が3万円分の株を買ってくれて無事に道具を買い揃えることができることとなった。
お城やそれぞれの家、湖、球場等が揃った雲の王国にみんなで出向きしばし楽しいひとときを過ごした。ふと地震が起きたかと思い雲の下に降りてみると山頂に雲が引っかかってしまっている。そこで極寒の中亀のような生物に乗せられて気を失っている男の子を発見した。お城の中で手当てをして一行は家を出た日付にどこでもドアのダイヤルを合わせて一旦家に帰ることにした。
のび太たちが再度王国に戻ると助けたはずの男の子がいない、、、男の子を見つけた山頂に戻ってみても手がかりは見つからない。その間王国の雲が流されてしまっため王国の雲を一つ一つ探してみると別の天上世界に入り込んでしまった。
入ったとたん、マンモスに乗った女性管理員の"パルパル"に出会った。パルパル曰く、ここは絶滅した動物を匿う保護州だという。天国見学をしないかという誘いのままに一行はそこで一晩を過ごすことにした。一緒にいた天上人"グリオ"に寝室の鍵を掛けられたことで一行は不信感を募らせ脱出を試みることに。だがみな黒い雷雲に撃たれてしまい、ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんはパルパルに助けられたのだが逃げることができなくなってしまう。一方で見つからなかったのび太は雷に打たれて故障してしまったドラえもんと森をさまようことに。すると以前出会ったことのある”ドンジャラ村のホイくん”に出くわした。ホイくんの案内のまま広い湖をネッシーに乗って渡るとこの前助けた男の子"タガロ"と再会。タガロは以前住んでいた島が島ごと流されてしまい流木につかまっていたところUFOに吸い込まれこの世界に来たのだという。この世界にいるカメのような絶滅動物グリプトドンと仲良くなって地面を掘り脱出を試みたのだが結局連れ戻されて失敗。タガロは発信機となっている取れない指輪を着けられているため逃れられないのだ。何とかこの世界を脱出する方法を探るとアホウドリに乗れば出られるのではと思いつく。のび太とドラえもんはホイくんの万能たずなをアホウドリに装着して脱出成功した。
ジャイアンたちは天上人を疑いながら、パルパルとグリオに中央州に連れて行かれた。そこでパルパルより、天上界が大雨を降らせて地上の世界を洗い流す「ノア計画」を実行しようとしていることを聞かされる。一行はその計画の実行可否を判断する連邦会議の最終審判に出席するように求められた。
一方のび太たちは迷子探し機の匂いに吸い寄せられ無事雲の王国に帰ってきた。そしてどこでもドアで家に帰ってみるとなぜか大洪水となっている。故障したドラえもんが電柱にぶつかったことで元通りになり溺れ掛けていたのび太を助けた。この洪水はもしかしたら天上人がやったことではとのび太は考えた。雲の王国に戻ってどこでもドアのダイヤルを確認すると10日後のダイヤルとなっている。この洪水計画を実行させないためにいざとなったら雲戻しガスという天上世界を破滅させる方法を天上人との交渉に使おうとドラえもんは思いついた。
最終審判に出席したジャイアンたちはノア計画に抵抗しようと必死に訴えかけるが全く受け入れてもらえない。その審判に出席していた別の地上人絶滅動物ハンターの3人は危機感を募らせ天上人の円盤を奪って脱出、雲の王国に逃げ込んできた。
ハンターたちからノア計画について聞かされたドラえもんはいざとなったら雲戻しガスを使って抵抗ができると説明。するとハンターたちはのび太の気が緩んだ隙に雲の国王冠を奪取。ハンターたちに抵抗が出来なくなり2人は地下牢に入れられてしまった。心配して駆けつけてくれたジャイアンたちも敢えなく同様に捕まってしまう。
逆らう人がいなくなったのをいいことにハンターたちは天上世界に向けた、雲戻しガスの発射台のスイッチを押してしまい一つの州を破壊してしまった。罪悪感に苛まれたドラえもんは責任を感じ囚われの身にも関わらず地下牢のドアを突き破って王国自体を破壊してしまう雲戻しガスタンクに我が身を擲って穴を開けてしまった。
一瞬で王国は流されてしまい跡形も無くなってしまった。地上人たちは天上人に助けられたがドラえもんは死んでしまった。法廷でみなが悲しむ中、植物星の大使が登場。その大使が念を送るとドラえもんは生き返ったのだ。なんとその大使は以前命を救った"キー坊"だった。再度の法廷で今度は地上人の功績を認めてもらいノア計画の実行は白紙となった。そして環境が元に戻るまで植物星が天上人を全面的に受け入れることで問題は解決となったのだ。
*解説
本作は今までの作品と比較するとだいぶ毛色の異なる作品になっています。
まず絶対悪という存在がいない。むしろのび太たち含む地上人が"悪"という位置付けになっている。(地上人からすれば天上人が敵ではない。)そのため成敗するという場面はないのですがラストはちょっとした報復の様相を呈しているのが現代の戦争のようだなと思います。また戦うという行為のメインが戦場ではなく法廷になっているのも現実味があります。映画ドラえもんは何かと法廷場面が出てくるのですがここまで尺があるのは本作くらいではないでしょうか。民主主義とは...ということを子どもたちに強調したいのですかね〜(*_*)
環境問題にあからさまにフォーカスしているのも今までと異なる点です。「のび太とアニマル惑星」でも少し触れていましたが問題に立ち向かうまでではなかったですよね。
ラストは環境問題への取り組みを示唆するようなものになっているので、子どもの頃は観終わると、ゴミをあまり出さないようにしよう!なんて思った記憶があります。また絶滅動物に対する意識がこの作品で上がったような気がします。
つまるところ、シリアスで、ある種学習教材みたいな作品なんですよね。
雲の王国自体は冒頭でも触れた通り数えきれないくらい観ているのですが他の作品に詳しくなかったので何に似ているという感想は特にありませんでした。これまでの感想でいくと今までの作品ですと「のび太と竜の騎士」に似ていますね。地底人がそのまま天上人に置き換わった感じ。バンホーとグリオの冷たい感じも似ている。
そういえば地底人は「のび太の海底鬼岩城」でも出てきていますが天上人は初めてですね!
ストーリー展開はのび太の宣言から始まるものでよくあるパターン。世界観は過去でも未来でも異星でもパラレルワールドでもなく現実世界というのが「竜の騎士」と通づるところがあります。
下記おすすめの見どころです。
①アニメ作品とのリンクがたくさん!!
→"ドンジャラ村のホイくん"の話や"キー坊"の話はアツいです。
特にあの"キー坊"がエラいオトナになっているなんて、、
今ではあまりやらなくなりましたが昔は「大晦日だよドラえもん」は大晦日の風物詩でその時に放送される話で"キー坊"は鉄板だったんですよね。
ドラえもんファンにはたまらない演出が散りばめられています。
②ドラえもんの故障、そして死
→中盤からドラえもんが全く頼りにならない状況は不安感しかありません。その分のび太が周囲に助けてもらいながら頑張るのですが健気です、、
そして元に戻ったかと思ったら縄で縛られているにもかかわらず暴走→ガスタンクにダイブです。あの鬼気迫る場面は何度観ても涙が込み上げてしまう。
法廷のベッドに横たわっている姿は何とも言いようがないですよね。ドラえもんでも死ぬんだって...(死ではなく重体?かもしれませんが)
③エンディングだけでない、主題歌の使い方!
→トップの名曲登場です!鉄矢さん歌っています。
「のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ)」でも挿入歌として主題歌が大々的に使われていましたが、今回の使い方の方が私は好みです。
みんなで初めて雲の王国に行ってソーラーカーでドライブする時に流れるんですよね〜。あそこで見終えても充実感があるくらい素敵なシーン。神演出です。
最後にちょっと気になった点。
◎ドラえもんの声がちょっと違う??
→なんかのぶ代さんの調子が悪いのかなって思いました。
*使用したひみつ道具
・タケコプター
・雲固めガス
・ロボッター
・雲ローラー
・浮き水ガス
・移動万能工事マシン
・植物の素シリーズ
・マジックドーム
・どこでもドア
・ソーラーカー
・お医者さんカバン
・宇宙完全大百科
・迷子探し機 ごはんだよ
・雲の国 王冠と飛行スカーフ
・通り抜けフープ
・雲戻しガス
16個。今回は戦うための道具は皆無です。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・エンディング:雲がゆくのは...
作詞・うた:武田鉄矢
この曲が映画ドラえもんでは一番好きです!(少年期も捨てがたいけど...)
一番の歌詞が特に心に沁みるんですよね。
「おーい雲よ僕はいい我慢できるよ その人の瞳に浮かんでくれ 」
って凄くないですか?!
この曲の歌詞は終始自分以外の誰かを思いやっている内容になっていて優しい歌だな〜って思います。
言わずもがな作品とリンクしている点も大好きなポイントです。
-おわり-