5/6 「バリー・リンドン」
GW最終日は長編映画で締め括りを。
キューブリック映画は気合いを入れて観ないと
観ることすら断念してしまうので観賞環境を整えて臨んだ。
・作品:バリー・リンドン
・監督:スタンリー・キューブリック
・公開年:1976年
・観賞日:2020年5月6日
<あらすじ>
第1部・第2部構成、約180分、インターミッション有りの大長編作品。
世は18世紀ヨーロッパ。
第1部はアイルランドの農家に生まれた、貴族に憧れるレドモンド・バリーの
成り上がりストーリー。
序盤に自分が好意を寄せる親戚の女性を軍の大尉に奪われてしまうことに納得がいかず、決闘を申し込む。
自分が撃った弾が命中に相手が死亡してしまい
(本当は死亡しておらず、自分を追い出すための仕組まれたものであった)
警察から逃れるため母から大金をもらい逃亡。
しかし道中追い剥ぎに遭い無一文に。
生きていくために軍に入隊するが嫌になり軍から逃亡。
しかし同盟軍に見つかってしまい、今度は別軍に入隊することに。
そこで功績を残し警察のスパイとなる。スパイとして派遣された先が
自分と同郷の者であったため自分の身の内をあかし共謀する。
そこから貴族の間でギャンブルの詐欺師として荒稼ぎをし、
自らも貴族の身分を渇望していく。
数多の病気を抱えるの夫をもつ、富豪のレディ・リンドンに目をつけ
略奪をする。(夫が亡くなってから結婚するに至る)
第2部は巨額の富をもったバリー・リンドンの転落ストーリー。
どうにか貴族の爵位を得るために、どんどんお金を注ぎ込むが
全て無駄に終わってしまう。そんな中残ったものは莫大な借金と自分の血が繋がっていない子ブリンドンからの恨み。
その後自分の血が繋がった最愛の息子は不慮の事故で亡くしてしまい
家族や自分の身の回りは崩壊。
エンディングで待っているものは、、、
<良かった点>
なんと言っても全てが壮大。中世としての見せ方に抜け目が何一つない。
衣装・髪型・建造物・装飾という物理的なものから、軍隊としてのマインド
貴族の佇まい等、内面的なものも詳細に描かれている。
そしてキューブリック作品が素晴らしいのはその映像美と撮影方法。
映像が非常に鮮やかでありながらも、電気がないという背景からか
陽の光や蝋燭の炎のみで撮影がされており当時の雰囲気を一層引き立たせる。
正直話がわからずとも、映画ならではの壮大感、映像美だけでこの映画は楽しめる。
話を通して自分なりに感じたことは成金には努力や運次第でなれるが
それだけでは身分を手にすることはできないということだろうか。
キューブリック映画は人間をいかようにも変えることはできると訴えることが
多い気がするが、変わらない部分があるのだなとよくわかった。
(しかしこの映画も含めて考えると根本は変えることができないのか...)
<悪かった点>
時の経過や関係性に説明があまりないため、一度で理解することが少し困難である。