5/5 「知らないふたり」
今年のGWはひたすらお篭り。ひたすら自粛。
このままだとブログを書くこともなくなってしまいそうな為
備忘録として観賞した映画の感想でも認めていくことにする。
・作品:知らないふたり
・監督:今泉力哉
・公開年:2016年
・観賞日:2020年5月5日
<あらすじ>
暗い表情の主人公レオンがベンチに座っているところから物語がスタートする。
レオンは靴の修理屋に勤める韓国人。
過去に自分が自転車で信号無視をしたのだが、それにつられてとある男性も
信号無視をしてしまい交通事故起き、車椅子となってしまう。
男性には彼女がいたのだが、自分が原因でその2人を不幸にしてしまった
と思い込み後悔の念に苛まれている。
話自体は4月の一ヶ月間の短い話なのだが
日にちが前後しながらその伏線を回収するようにストーリーは進んでいく。
過去に囚われているレオンだが、恋をきっかけにして
全く関係ないような人間関係が複雑に絡み合っていく。
前進するようなわかりやすい恋ではないしハッピーエンドで終わる訳でもないが
登場人物それぞれの恋に対して心が温まるような思い、
感情の揺らめきが繊細に描かれていて、人を好きになることを考えさせられる。
<良かった点>
今泉監督ならではの「人を好きになること」の描き方が素直でいいなと毎回思う。
人を好きになれば、知りたくなるし、追いかけたくなるし、伝えたくなる...けど
それも迷惑かなと考えたりする。
例えば付き合っている人がいて他に好きな人ができたとすると
通常の物語だと「浮気」や「駆け引き」みたいなずるさを描く作品が多いが
この監督の場合、付き合っている人にもその気持ちを告げて、好きな人にも
思いを告げるという、カオスな状況になる。
しかし、あり得ないなと思うこの状況を冷静に考えると
真摯に目の前の大事な人に向き合っている、という事実が浮き彫りになる。
自分を擁護するでもなく、その素直で真摯な姿勢で向き合われたら
恋人関係を超えたさらに深い人間関係を感じてしまう。
そうなれれば相手の幸せを自然と願うことができるのかもしれない。
また今泉監督といえば映像美である。
六畳一間のアパートもオシャレに映るし車椅子の生活感もスタイリッシュだ。
だがどこか懐かしさも感じられとても親しみがもてる。
この映画は何名かの韓国人が登場するが、文化的な背景はとりあえず
触れていないのがよかった。
<悪かった点>
文化的背景に触れていないのはよかったのだが
一方で外国人に対する恋ってそんなにハードル低いかな?とは思ってしまう。
あとキャストが少し残念。
かなこの婚約者が違和感甚だしいし、かなこカップルが
レオンのことを「かっこよすぎて」みたいに絶賛してたがそんなに?と首をかしげる。
一番残念だったのがエンディング。
もうTHE韓流、って感じでこの映画には合わない。
もっとアコースティックな曲調の方が絶対よかったと思う。