4/22 「ドラえもん のび太と雲の王国」
第13回目です。
とうとうきました、一番大好きな作品「雲の王国」。
何度も何度も大人になってからも繰り返し見返した作品です。
久しぶりに観ましたがかなり複雑でシリアスな作品ですね、、
たくさん見どころを語りたいと思います!!
・監督:芝山努
・脚本:藤子・F・不二雄
・公開年:1992年3月7日
・上映時間:97分
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↓これまでの「ドラえもん映画ブログ」はこちらから〜↓
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*あらすじ
学校の授業にて。のび太は「天国のある雲はどの辺に浮かんでいるのか」と先生に質問したところみんなから馬鹿にされてしまう。悔し紛れに「天国があると証明してみせる」と宣言。ドラえもんに相談したところ天国なんてないことをまざまざと説明されてしまうが、「ありもしない天国を探すより作っちゃえば?」と提案されそれに乗っかることにした。
雲固めガスや雲ローラー、ロボッターなどひみつ道具を使って雲の上に王国をつくり始めたのび太とドラえもん。雲ロボットを増やして王国づくりに拍車をかけたものの道具の数が足らず、完成にはあと2,3年はかかる算段に、、これではせっかくの王国をみなに自慢できないと落胆したのび太は、パパから株の話を聞いて閃いた!
ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんを集めて何をするのかと思ったら、のび太はパパの株の話を応用して王国の株をみなに買ってもらうようにお願いした。するとスネ夫が3万円分の株を買ってくれて無事に道具を買い揃えることができることとなった。
お城やそれぞれの家、湖、球場等が揃った雲の王国にみんなで出向きしばし楽しいひとときを過ごした。ふと地震が起きたかと思い雲の下に降りてみると山頂に雲が引っかかってしまっている。そこで極寒の中亀のような生物に乗せられて気を失っている男の子を発見した。お城の中で手当てをして一行は家を出た日付にどこでもドアのダイヤルを合わせて一旦家に帰ることにした。
のび太たちが再度王国に戻ると助けたはずの男の子がいない、、、男の子を見つけた山頂に戻ってみても手がかりは見つからない。その間王国の雲が流されてしまっため王国の雲を一つ一つ探してみると別の天上世界に入り込んでしまった。
入ったとたん、マンモスに乗った女性管理員の"パルパル"に出会った。パルパル曰く、ここは絶滅した動物を匿う保護州だという。天国見学をしないかという誘いのままに一行はそこで一晩を過ごすことにした。一緒にいた天上人"グリオ"に寝室の鍵を掛けられたことで一行は不信感を募らせ脱出を試みることに。だがみな黒い雷雲に撃たれてしまい、ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんはパルパルに助けられたのだが逃げることができなくなってしまう。一方で見つからなかったのび太は雷に打たれて故障してしまったドラえもんと森をさまようことに。すると以前出会ったことのある”ドンジャラ村のホイくん”に出くわした。ホイくんの案内のまま広い湖をネッシーに乗って渡るとこの前助けた男の子"タガロ"と再会。タガロは以前住んでいた島が島ごと流されてしまい流木につかまっていたところUFOに吸い込まれこの世界に来たのだという。この世界にいるカメのような絶滅動物グリプトドンと仲良くなって地面を掘り脱出を試みたのだが結局連れ戻されて失敗。タガロは発信機となっている取れない指輪を着けられているため逃れられないのだ。何とかこの世界を脱出する方法を探るとアホウドリに乗れば出られるのではと思いつく。のび太とドラえもんはホイくんの万能たずなをアホウドリに装着して脱出成功した。
ジャイアンたちは天上人を疑いながら、パルパルとグリオに中央州に連れて行かれた。そこでパルパルより、天上界が大雨を降らせて地上の世界を洗い流す「ノア計画」を実行しようとしていることを聞かされる。一行はその計画の実行可否を判断する連邦会議の最終審判に出席するように求められた。
一方のび太たちは迷子探し機の匂いに吸い寄せられ無事雲の王国に帰ってきた。そしてどこでもドアで家に帰ってみるとなぜか大洪水となっている。故障したドラえもんが電柱にぶつかったことで元通りになり溺れ掛けていたのび太を助けた。この洪水はもしかしたら天上人がやったことではとのび太は考えた。雲の王国に戻ってどこでもドアのダイヤルを確認すると10日後のダイヤルとなっている。この洪水計画を実行させないためにいざとなったら雲戻しガスという天上世界を破滅させる方法を天上人との交渉に使おうとドラえもんは思いついた。
最終審判に出席したジャイアンたちはノア計画に抵抗しようと必死に訴えかけるが全く受け入れてもらえない。その審判に出席していた別の地上人絶滅動物ハンターの3人は危機感を募らせ天上人の円盤を奪って脱出、雲の王国に逃げ込んできた。
ハンターたちからノア計画について聞かされたドラえもんはいざとなったら雲戻しガスを使って抵抗ができると説明。するとハンターたちはのび太の気が緩んだ隙に雲の国王冠を奪取。ハンターたちに抵抗が出来なくなり2人は地下牢に入れられてしまった。心配して駆けつけてくれたジャイアンたちも敢えなく同様に捕まってしまう。
逆らう人がいなくなったのをいいことにハンターたちは天上世界に向けた、雲戻しガスの発射台のスイッチを押してしまい一つの州を破壊してしまった。罪悪感に苛まれたドラえもんは責任を感じ囚われの身にも関わらず地下牢のドアを突き破って王国自体を破壊してしまう雲戻しガスタンクに我が身を擲って穴を開けてしまった。
一瞬で王国は流されてしまい跡形も無くなってしまった。地上人たちは天上人に助けられたがドラえもんは死んでしまった。法廷でみなが悲しむ中、植物星の大使が登場。その大使が念を送るとドラえもんは生き返ったのだ。なんとその大使は以前命を救った"キー坊"だった。再度の法廷で今度は地上人の功績を認めてもらいノア計画の実行は白紙となった。そして環境が元に戻るまで植物星が天上人を全面的に受け入れることで問題は解決となったのだ。
*解説
本作は今までの作品と比較するとだいぶ毛色の異なる作品になっています。
まず絶対悪という存在がいない。むしろのび太たち含む地上人が"悪"という位置付けになっている。(地上人からすれば天上人が敵ではない。)そのため成敗するという場面はないのですがラストはちょっとした報復の様相を呈しているのが現代の戦争のようだなと思います。また戦うという行為のメインが戦場ではなく法廷になっているのも現実味があります。映画ドラえもんは何かと法廷場面が出てくるのですがここまで尺があるのは本作くらいではないでしょうか。民主主義とは...ということを子どもたちに強調したいのですかね〜(*_*)
環境問題にあからさまにフォーカスしているのも今までと異なる点です。「のび太とアニマル惑星」でも少し触れていましたが問題に立ち向かうまでではなかったですよね。
ラストは環境問題への取り組みを示唆するようなものになっているので、子どもの頃は観終わると、ゴミをあまり出さないようにしよう!なんて思った記憶があります。また絶滅動物に対する意識がこの作品で上がったような気がします。
つまるところ、シリアスで、ある種学習教材みたいな作品なんですよね。
雲の王国自体は冒頭でも触れた通り数えきれないくらい観ているのですが他の作品に詳しくなかったので何に似ているという感想は特にありませんでした。これまでの感想でいくと今までの作品ですと「のび太と竜の騎士」に似ていますね。地底人がそのまま天上人に置き換わった感じ。バンホーとグリオの冷たい感じも似ている。
そういえば地底人は「のび太の海底鬼岩城」でも出てきていますが天上人は初めてですね!
ストーリー展開はのび太の宣言から始まるものでよくあるパターン。世界観は過去でも未来でも異星でもパラレルワールドでもなく現実世界というのが「竜の騎士」と通づるところがあります。
下記おすすめの見どころです。
①アニメ作品とのリンクがたくさん!!
→"ドンジャラ村のホイくん"の話や"キー坊"の話はアツいです。
特にあの"キー坊"がエラいオトナになっているなんて、、
今ではあまりやらなくなりましたが昔は「大晦日だよドラえもん」は大晦日の風物詩でその時に放送される話で"キー坊"は鉄板だったんですよね。
ドラえもんファンにはたまらない演出が散りばめられています。
②ドラえもんの故障、そして死
→中盤からドラえもんが全く頼りにならない状況は不安感しかありません。その分のび太が周囲に助けてもらいながら頑張るのですが健気です、、
そして元に戻ったかと思ったら縄で縛られているにもかかわらず暴走→ガスタンクにダイブです。あの鬼気迫る場面は何度観ても涙が込み上げてしまう。
法廷のベッドに横たわっている姿は何とも言いようがないですよね。ドラえもんでも死ぬんだって...(死ではなく重体?かもしれませんが)
③エンディングだけでない、主題歌の使い方!
→トップの名曲登場です!鉄矢さん歌っています。
「のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ)」でも挿入歌として主題歌が大々的に使われていましたが、今回の使い方の方が私は好みです。
みんなで初めて雲の王国に行ってソーラーカーでドライブする時に流れるんですよね〜。あそこで見終えても充実感があるくらい素敵なシーン。神演出です。
最後にちょっと気になった点。
◎ドラえもんの声がちょっと違う??
→なんかのぶ代さんの調子が悪いのかなって思いました。
*使用したひみつ道具
・タケコプター
・雲固めガス
・ロボッター
・雲ローラー
・浮き水ガス
・移動万能工事マシン
・植物の素シリーズ
・マジックドーム
・どこでもドア
・ソーラーカー
・お医者さんカバン
・宇宙完全大百科
・迷子探し機 ごはんだよ
・雲の国 王冠と飛行スカーフ
・通り抜けフープ
・雲戻しガス
16個。今回は戦うための道具は皆無です。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・エンディング:雲がゆくのは...
作詞・うた:武田鉄矢
この曲が映画ドラえもんでは一番好きです!(少年期も捨てがたいけど...)
一番の歌詞が特に心に沁みるんですよね。
「おーい雲よ僕はいい我慢できるよ その人の瞳に浮かんでくれ 」
って凄くないですか?!
この曲の歌詞は終始自分以外の誰かを思いやっている内容になっていて優しい歌だな〜って思います。
言わずもがな作品とリンクしている点も大好きなポイントです。
-おわり-
4/19 「ドラえもん のび太のドラビアンナイト」
第12回目です。
なんと、、こちらの作品、初めて映画館で観たドラえもん作品です!
自分的に記念すべき作品。パンフレットも持っています。
幼ながらコミカルで面白い作品だったので印象に残っています。
同時上映の「ドラミちゃん アララ♥少年山賊団!」もかすかに覚えているなぁ...
・監督:芝山努
・脚本:藤子・F・不二雄
・公開年:1991年3月9日
・上映時間:99分
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*あらすじ
※今回はパンフレットのあらすじをそのまま引用させて頂きます。
ある日、「絵本入りこみぐつ」で遊んでいたのび太くんたち。ところがジャイアンとスネ夫のいたずらで物語が入りまじり、くつの片方をなくしたしずかちゃんが絵本の世界で行方不明に。しかも、ママに絵本を燃やされ絶望するのび太くん。だけど宇宙大百科を調べてみたら「アラビアンナイト」の物語に実在の人物を発見したんだ。早速、ぼくらは時間旅行公社のミクジンをガイドに頼み、794年のバグダッドへ向かった。
着いたとたん、ミクジンはへそをまげて消えちゃうし、砂漠のサソリ団には襲われるし、まいったなぁ。危ないところをアル・ラシード王に救われたぼくらは、港でしずかちゃんを知っているという蛇使いの老人に出会った。ボロ船を買い船員を集めていざ出帆と思ったら、老人に変装していた盗賊カシムとその手下が姿を現わし、あわれぼくらは嵐の海のなかへー。
みんな奇跡的に助かったものの、ぼくの一番大事なポケットがなくなっちゃって大ピンチ。一方、嵐で難波したカシムたちと、しずかちゃんを連れた奴隷商人アブジルも、ぼくらと同じ砂漠をさまよっていた。日射病で倒れたのび太くんを抱えて途方に暮れていると、突然巨大な空飛ぶ魔神が現れ、ぼくらを乗せると光り輝く黄金の宮殿へ。そこには不思議な魔法グッズを持つ王様、その船乗りのシンドバットが住んでいて、ぼくらを歓迎してくれた。空飛ぶ木馬や兵士の種といった自慢のコレクションを拝見しているところへ、ランプの精からしずかちゃん発見の知らせが。
シンドバット王のおかげで、やっとしずかちゃんを取り戻すことができた。ところが、カシムたちと合流したアブジルは、ぼくらの留守に黄金宮に忍びこみ、反対にコレクションを操って城を占拠してしまった。そこへ、ぼくのポケットを持ってミクジンが登場。ぼくらはひみつ道具を駆使して大反撃を開始、ついに悪者をやっつけた。黄金宮にも平和が戻って、本当によかったね。めでたし、めでたし。
※(出典)『ドラえもん のび太のドラビアンナイトパンフレット』1991,東宝
*解説
本作は今までの作品と比べると怖い要素が少なく気軽に最後まで楽しめる内容になっています。
悪者の"絶対悪"さが弱いのとコミカルさが随所に散りばめられているので気合いを入れずに観られます!!
(初期の作品は大人でも怖いので自分的には観るにあたって気合いが必要、、)
ラストの倒した、倒してない、どうなる...というハラハラ感はありますがラスボスをみんなの力を結集してどうにかして倒す、というような息を呑む展開ではないので笑いながら楽しめます!
ストーリーの展開として、しずかちゃんを助けに行く、というものは本作が初めてですね。
絵本の世界というパラレルワールドの出来事かと思いきや、過去の現実世界とリンクしているという発想はよくできているなと思います。
パターンは「過去もの」になりますね。
ドラえもんの四次元ポケットが使えない、という絶体絶命な状況ではありますがその分シンドバットのコレクションが使えるので物足りなさは感じないです。
むしろそのコレクションが面白い!ランプの精がいい味出しているな〜と思います。
癒されますよね、ランプの精。
下記取り上げたいポイントです。
①お決まりのセリフ「それを言っちゃあおしまいよ」
→いつもはドラえもんが言うセリフですが冒頭でのび太が言っています。
10作を超えるとテッパンのセリフややりとりが増えてきているのでそれらを発見する楽しさがあります!
②登場するキャラクターのユーモアさ
→本作ではずっとお供し続ける特定のキャラクターはいないのですが、ミクジンやランプの精、悪者ですがアブジルは面白いキャラクターだなと思います。
ミクジンがラストのいいところで出てきたのは誰もが喜んじゃいますよね(^ω^)
③ジャイアンの優しさ
→序盤はいつものいじわるなジャイアンでしたが物語が進むに従って勇気があって頼り甲斐があり優しいジャイアンが見えてきます。
特に太陽が照りつける砂漠の中のび太を背負って歩く姿は感動ものです。
*使用したひみつ道具
・絵本入りこみぐつ
・タケコプター
・宇宙完全大百科
・タイムマシン
・ほんやくコンニャク
・風神うちわ
・みのむし式スリーピングバッグ
・お利口ターバン
・空飛ぶふろしき
・通り抜けフープ
・変身ドリンク
・スモールライト
12個。ほぼ道具を使えない状況だったのでかなり少ないです。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・エンディング:夢のゆくえ
良曲です。作品とリンクしているようでしていない歌詞と白鳥さんの伸びやかな美声が爽やかな気分にさせてくれていいんですよね〜。
しずかちゃんを救った物語なので女性ボーカルの方が合っているのかななんて思いました!
-おわり-
4/15 「ドラえもん のび太とアニマル惑星」
第11回目です。
こちらも小さな頃から何回も見て慣れ親しんだ大好きな作品です。
この作品のおかげで夜トイレに行くのが怖かったこともあったなぁ...
・監督:芝山努
・脚本:藤子・F・不二雄
・公開年:1990年3月10日
・上映時間:99分
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*あらすじ
ある晩、トイレに起きたのび太はピンクのもやを伝って暗い森の中に彷徨い込んだ。そこでは犬のおまわりさんがいたり動物が話したりしている。
その話をみんなにすると馬鹿にされてしまう。
だがその夢で見たはずの花が家にあることを発見し次の晩に夢の正体を突き詰めようと再度ピンクのもやを伝ってみるとそこは嵐が吹き荒れていて飛ばされてしまう。そんなところを後を付いてきたドラえもんに救われる。
2人はこの前見た犬の少年"チッポ"が川に溺れそうになっているのを見つけ助けるとお礼にチッポ一家に招かれることになった。親しくなったが一旦別れて家に帰ることにした。帰る間際に見た月がとても大きくここは地球でないことを悟った。
のび太とドラえもんは今度は裏山でピンクのもやが出ていることを発見する。
しずかちゃんを誘ってアニマル惑星の世界に行こうとすると後からジャイアン・スネ夫もだまって付いてきてしまった。
のび太たちは街を散策するが人っ子一人いない。街の様子からこの星は科学が物凄く発達していることを理解する。
夜になり鐘が鳴ると一斉に街の明かりが灯り出し人が溢れてきた。この日は日本でいう大晦日だったのだ。チッポに再会しこの惑星の神話を聞かせてもらう。それは「この惑星の先祖は昔々月に住んでいたのだが、月を支配していたのは"イムゲ"という悪魔族で、その悪魔族から先祖たちを遠くに逃そうと神様が星の船に乗ってこの星にやってきて、大晦日の晩に光の階段でこの星に先祖たちを来させた」というものだった。
のび太たちはその後チッポから光の階段と星の船を見つける計画を企てていることを聞かされる。
一方で後を付いてきたジャイアンとスネ夫は森から抜け出すことができず一旦引き返すことにしたのだが、引き返した先は元の世界ではなく地獄みたいな別世界だった。再度引き返すとまた森の中に迷いこんでしまったのだが何とか森を抜け出し一波乱あったものののび太たちと落ち合うことができた。
一同は先ほどのチッポの探索計画に賛同するがジャイアンだけ必要以上に怖がり行きたくないと言い張る。ジャイアンらしくない。
一旦地球に帰ることになり禁断の森の中にピンクのもやを見つけると、ドラえもんがこのもやが"どこでもガス"という未来の道具であることを思い出す。もしかしたら「光の階段」というのはこのガスのことなのかもしれない、、、
地球に戻るとみんながドラえもんから渡された”探検セット"の中の"糸なし電話"からチッポの声が聞こえる。どうやら助けを求めているようだ。
のび太たちは急いで"宇宙救命ボート"に乗ってチッポを助けに行くことにした。
アニマル惑星に到着すると悪魔族・ニムゲに街全体が襲われていた。
"動物ごっこ帽子"の特性を使ってチッポの居場所を突き止めた。チッポに何があったか聞くといきなり空飛ぶ円盤から襲撃されニムゲにチッポのいとこ・ロミちゃんが囚われてしまったのだと言う。
ロミちゃんを救うために、のび太に"ツキの月"という制限時間内に運がよくなる薬を飲ませて、禁断の森に埋められていた"星の船"を見つけ出し、それに乗せてニムゲの星に向かわせた。
運が良くなったのび太は危機に直面するものの何とかロミちゃんを救い出しアニマル惑星に戻ってきた。
一安心したのも束の間、今度はニムゲがアニマル惑星を本格的に襲撃してくる。
無事アニマル惑星を救うことができるのか?!
*解説
本作は少々込み入ってますがキャラクターの親しみやすさが際立っているので誰でも楽しめる作品になっています。
ひさしぶりにTHEシックスマンと言えるキャラクター"チッポ"が出てくるのでチッポを通してアニマル惑星の事情を理解しながらストーリーを紐解くことができます。
序盤からアニマル惑星の豊かで平和な世界観とニムゲの荒廃した世界観が対比で見えることによりソワソワしてしまうのですが、童話を交えたエピソード(犬のおまわりさん)やジャイアンと似ているゴリロウくんが出てくることによりクスッとした笑いがアクセントとなっています。
ストーリーの始まりが「のび太が迷い込んだ系」のため、何が悪なのかわからないハラハラ感が後半までありますかね。
結局ニムゲが人間だったり、環境問題を全般的に取り上げているのでその点が難しくしているのかなと思います。
子どもの時観た印象としてはしゃべる動物たちがかわいい〜と思いながらストーリーの理解には時間がかかった思い出があります。
そして、もう11作品目となると作品の世界観や展開が大分パターン化されてきている気がしますね。
今回だと世界観は「宇宙もの」。
他は「昔(過去)もの」、「パラレルワールドもの」ですかね〜。
そういえば未来ものはまだないような、、
下記好きなポイントです。
①チッポのキャラクター
→やんちゃで犬のように人懐っこいキャラはかわいいなと微笑ましくなります。
のび太とすぐに友達になれた理由がわかります!
犬という点では「のび太の大魔境」のペコに通づるものがありますがチッポの方が大分親しみやすいですね。
また、声優が田中真弓さんなのもイメージにピッタリです!
②エンディング「天までとどけ」を鉄矢が歌う
→「のび太の宇宙小戦争」ぶりに歌ってくれています。
これまた名曲...!
歌詞と映画の世界観がリンクしているので余韻が残ります。
「人間だから〜」というフレーズがこの作品を象徴していますね。
*使用したひみつ道具
・タケコプター
・のびーるハンド
・台風のおめめ
・ジェットもぐら
・植物あやつり機
・動物ごっこ帽子
・※みのむし式ねぶくろ
・※カツ丼入り圧縮非常食
・※どろ水浄水器
・※糸なし電話
・※警報用花火
・※ミニカラオケセット歌詞カード付き
・タイム虫眼鏡
・宇宙救命ボート
・ショックガン
・空気砲
・ツキの月
・雨曇製造機
※は「探検セット」
18個。あんまり突飛な道具はなかった印象です。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・エンディング:天までとどけ
-おわり-
4/12 「ドラえもん のび太の日本誕生」
やっと第10回目です。
小さい頃から何度も何度も録画したビデオで観た大好きな作品です。
なんと観客動員数は藤子・F・不二雄存命時には破られることがなかったそうです。
そんな不朽の名作。
同時上映の「ドラミちゃん ミニドラSOS!!!」も好きだったなぁ。
・監督:芝山努
・脚本:藤子・F・不二雄
・公開年:1989年3月11日
・上映時間:100分
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*あらすじ
色々とうまくいかないのび太は家出をすると宣言。ジャイアンたちにからかわれながらもドラえもんに道具を出してもらい家出をしようとするもののちょうどいい土地がなく続かない。
そんな中ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんも家庭の不満から家出を試みる。そしてドラえもんもパパが部長のハムスターを預かったことにより家にいられなくなり家出することとなった。
だが家出に最適な土地がない。
そこでのび太が「人のいない時代なら持ち主のない土地がある」とひらめき、一同はタイムマシンで7万年前の日本へ行くことにした!
「ぼくたちのパラダイスをつくろう!」と一行はそれぞれの役割を担うことにした。
しずかちゃん→環境庁長官
スネ夫→農林大臣
のび太→ペット大臣
のび太はしぶしぶペット大臣を引き受けた。
遺伝子アンプルを卵に注入すればペットがつくれる、という簡単なものであったのだが、みなを驚かせようとアンプルを混合して馬と白鳥でペガサス、ワニとライオンでグリフィン、ワニと鹿とコウモリで龍をつくることにした。
ペガサスを"ペガ"、グリフィンを”グリ”、龍を"ドラコ"と名付け隠れて大切に育て始めたのだ。
一行は楽園のようなひとときを過ごし一旦家に帰ることにした。
現代に戻り学校に行った後、また太古の世界に行こうとみながのび太の家に集まると、のび太の部屋の押し入れに誰かいるみたいだ。すると本物の原始人が出てきた。
この原始人は"ククル"という名で、太古の時代で時空乱流に飲み込まれてしまい現代に来てしまったようだ。
ジャイアンと取っ組み合いをし弱っていたせいで気を失ってしまったのだがタイムマシンで一緒に7万年前の世界にひとまず連れて行くことにした。
ククルの目が覚めてから事情を聞いてみると、ククルは"ヒカリ族"に属していたのだが自身が川に行っている間にその一族が"クラヤミ族"という嵐や雷を操る不死身の精霊王"ギガゾンビ"という恐ろしい味方をもつ敵に襲われてしまったとのことだ。
その話を聞いた一行はククルの仲間たちを助けることにした。
ヒカリ族の村は現代の中国大陸にあるため、のび太が育てたペット、ペガ・グリ・ドラコに乗って向かうことにした。
ヒカリ族の村に到着した翌日、クラヤミ族と戦うことを計画する。
ペガたちは目立ってしまうため一旦お別れをし留守番を命じた。
たずね人ステッキを使いクラヤミ族の居場所を突き止めると、"ドラゾンビ"という精霊王に扮したドラえもんがヒカリ族を連行中のクラヤミ族を奇襲した。
奇襲は成功したのだがギガゾンビのしもべというツチダマというしゃべる土偶が残っていて何度も衝撃波を飛ばしてくる。
なんとかひらりマントで衝撃波を返してツチダマを破壊するに至った。
敵を倒しククルとヒカリ族の仲間たちは感動の再会を果たした!
ギガゾンビの手から離れるためにヒカリ族の人たちをどこでもドアで中国大陸から日本に連れてきて新たな村をつくることを提案、村人たちは平和な時を過ごせるようになった。
みな穏やかな気持ちでいたのだがのび太だけが元気がない。
なぜならば一旦別れたペガたちが見つからないのだ。
ククルはそんなのび太を心配して自身が以前飼っていたオオカミが離れ離れになってしまったものの最終的には戻ってきたエピソードを話し元気付けた。
ヒカリ族が平和を取り戻したこともあり、のび太たちはギガゾンビの不安をもちながらも一度現代に戻ることにした。
ドラえもんはツチダマの手の破片を持って帰ってきていて、調べてみるとそれは形状記憶セラミックという高度な技術でできていることを発見した。
...ということはヒカリ族が危ない。。
急いで一行は戻ることにしたのだが一足遅く、ヒカリ族の村がまたもや襲われてしまっていた。
ギガゾンビの幻がトコヤミの宮にくるようにメッセージを残していた。
一行はトコヤミの宮を目指して氷河を越えて一旦洞窟に身を寄せた。
するとのび太が途中でいなくなってしまったことに気がつく。吹雪の中探すことは困難だったため道具を使ってのび太を救うことにした。
避難した洞窟を見渡してみるとそこがトコヤミの宮だということに一同は気がついた。
ヒカリ族のみなが奴隷として働かされていることを目の当たりにし道具を使って時間を止めて救おうと試みた。逃げ道を確保しようとドラえもんが彷徨っているとギガゾンビに対面してしまう。時間を止めたはずなのに効いていないのはなぜ、、、
それはギガゾンビが未来人で時間犯罪者であるからだったのだ。
手出しができずにドラえもんはじめ、一同は捕まってしまった。
一方で遭難してしまったのび太に道具が届くことはなかったのだが、意識が遠のく中マンモスから小箱を託されていた。
吹雪が止むと行方不明だったペガたちと再会することができ、みなが囚われていたトコヤミの宮に侵入。
間一髪のところでみなを救うことができたのだが洞窟の中に閉じ込められてしまう。
八方塞がりになってしまい一行が途方に暮れる中、のび太は託された小箱を思い出し中のスイッチを押してみる。
するとそれはタイムパトロール隊の呼び出しスイッチとなっていたようでタイムパトロール隊が助けにきてくれたのだった。
ギガゾンビは無事逮捕され棲家は爆破された。
のび太はペガたちを連れて帰りたかったが泣く泣くお別れすることに、、、
一件落着ながらもちょっと悲しいエンディング。
*解説
本作は観客動員数でも表しているとおり映画ドラえもんの代表作と言っていいほどのクオリティだと思います。今までの作品のおいしいところをたくさん詰め込んでいる。
愛情あり、友情あり、笑いあり、勇気あり、別れあり・・・
ストーリー展開は無理なくわかりやすいですし、ラストの展開もお決まりのものではありながらも最もスッキリできる解決法なので観終えた爽快感があります。
誰にでも自信をもっておすすめできる作品です!
ベースとしてはのび太の恐竜がのび太の愛情と別れという点であるのかなと思いました。あの作品も最終的にはタイムパトロール隊が助けてくれましたしね。
コアなファンからすると敵が時空に関わる者だとラストにタイムパトロールが出てくるな...と予想がつくのかもしれないですね!
シックスマンとしてはクセのあるキャラはいないのですがその分ククルの純粋さやペガたちの従順さが際立っているように感じました。
クセという点だとツチダマがなかなかの存在感ですかね...
そしていい作品にはいい曲あり!!ラストには名曲が待ち構えています。
作品と曲がちゃんとリンクしているのが堪らないです!
下記取り上げたいポイントです。
①のび太のお母さん的愛情再び
→のび太は何か育てるとなると愛情がだだ漏れになります。そして育てられた側は信じられないくらいに懐きます。ペット大臣納得していませんでしたが適役ですね!
誰にでも長所ってあるんだなぁと微笑ましく観ていられます。
②至る所に表れるハートフルな友情
→ククルが出てきた後から友情の応酬になります。
健気に看病し反発されても温かく接するしずかちゃん、見ず知らずの原始人の話を聞いていの一番に助けようと提案するジャイアン、そんなみんなを巻き込む訳にはいかないと悩むククル、そしてのび太を元気づけるククル、、、
友情とは何かを考えさせられます。
③出会いがあれば別れがある
→どの作品にも共通してある"別れ"ですがこんなにも切ない別れがあったでしょうか...
エンディングの別れの演出は涙なしに観られません。。
とりあえず泣きたくなったらこの場面だけ見とけと言えるほどの演出クオリティ。
そして下記番外編。言ってみたい好きなセリフ2選!
①「ここから僕のとち〜!!!」
→土地購入したら必ず言いたい。何としても言いたい。小枝を土地にぶっ刺して走りながら言いたい。
②「この恨みはらさでおくべきか!」
→このセリフなんで知っているのかなって元を辿ったらツチダマさんだと今回気がつきました。言ってみたいけどこれ言うとなると相当な怨念が、、、
やっぱり言いたくないですね。。笑
ちなみに元々は「魔太朗がくる!!」のセリフみたいです。
藤子不二雄Aさんの作品なので拝借したのかもしれないですね。
(藤子不二雄Aさん、最近お亡くなりになられました。ご冥福をお祈りいたします。)
*使用したひみつ道具
・キャンピングカプセル
・どこでもドア
・タケコプター
・タイムマシン
・原始生活セット
・らくらくシャベル
・花園ボンベ
・畑のレストラン
・動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグ
・ラジコン雨雲
・ラジコン太陽
・ノビール水道管
・ノビールガス管
・ノビール下水管
・万能ペットフード グルメン
・ミニ家具
・時空震カウンター
・ほんやくコンニャクお味噌味
・たずねびとステッキ
・ひらりマント
・オートマジック花火
・レスキューボトル
・ウルトラタイムウォッチ
・通りぬけフープ
・瞬間接着銃
27個。めちゃ多いですね!
でも平和な原始生活を送るための道具が多かったようです。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・エンディング:時の旅人
「時の旅人」は映画ドラえもんの中でもトップを争う名曲だと思います。
鉄矢さんに歌ってほしいところですが...この曲は西田さんがいい味出しているんです!
切ないメロディにのせて語り口調からサビ〜このサビが昔と今をつなぐような歌詞になっていて作品に合っているんですよね。
-おわり-
4/4 「ドラえもん のび太のパラレル西遊記」
第9回目です。
本作はおそらく2回目でしたが全く覚えていませんでした...
こちら藤子不二雄コンビ解消後の「ドラえもん」映画一作目で原作漫画は存在しなかったそうです。
ストーリーとしては目的がわかりやすく比較的見やすかったです。
・監督:芝山努
・脚本:もとひら了
・公開年:1988年3月12日
・上映時間:93分
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↓これまでの「ドラえもん映画ブログ」はこちらから〜↓
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*あらすじ
学校で新入生歓迎会用の劇「西遊記」の練習中、夢の中では孫悟空だったのび太だが夢から覚めると村人その1だった。実際の孫悟空役は出来杉で西遊記をやることを提案したのび太は納得がいかない。そのため孫悟空はそっくりな人がやるべきで本物の孫悟空はいるはず、だから見つけてくると言い張った。
のび太は孫悟空を見つけるために1人でタイムマシンで1650年前の唐の時代へ向かった。
そこで觔斗雲に乗った自分にそっくりな孫悟空を見かけ孫悟空が自分に似ていることを確信した。
現代に戻りさっそく空き地にいたジャイアン・スネ夫・しずかちゃんに報告したところ、「嘘だったらドラえもんの道具を使いたい放題」という交換条件をジャイアンに突きつけられてしまう。
ドラえもんに事情を話し今度はみんなでタイムマシンに乗って唐の時代に向かった。
三蔵法師を見つけたが孫悟空は実在する人物ではではないため見つけることができない。後に引けなくなったのび太はドラえもんの提案で"ヒーローマシン"というひみつ道具を使って西遊記の中の孫悟空になり、現実世界でもなりすますことにした。
しかし結局みんなにバレてしまい家に戻るとヒーローマシンを使いたい放題にされてしまう。
さっそくヒーローマシンの西遊記で遊んでみると、のび太が孫悟空、ジャイアンが猪八戒、スネ夫が沙悟浄、しずかちゃんが三蔵法師という役の振り分けとなった。ゲームの中で妖怪が出てくるはずだったが何の障害もなくゲームクリアとなってしまう。
その晩、のび太とドラえもんはママに呼ばれて食卓につくとトカゲのスープを出され何かがおかしいと感じとる。一晩明けて学校に行くとおどろおどろしい世界になっていて劇練習では「三蔵法師が妖怪に食べられる」というストーリーに変わってしまっていた。どうやらのび太・ジャイアン・スネ夫・しずかちゃん以外がみんな妖怪になってしまっているようなのだ。
おかしい原因を調べるためにドラえもんとのび太は街中を飛び回ってみると街中に見たことがない中華風の大きなビルを発見した。また複数のコウモリに襲われそうになった。どうやら妖怪世界が入り込んでいるようだ。
ドラえもんの推察では「唐の時代に行った時にヒーローマシンの西遊記の中の妖怪が現実世界に出てきてしまい歴史が変わったよう。妖怪が三蔵法師をやっつけた後世界を支配したため現在の世界が妖怪の世界になってしまった」とのこと。
一行はヒーローマシンの中に妖怪を戻し現実世界を元に戻すため、ゲーム西遊記の役柄そのままで再び唐の時代に戻ることにした。
戻ると三蔵法師がちょうど妖怪に襲われているところだった。
その妖怪は金角・銀角でドラえもんがひょうたんの中に吸い込まれてしまうアクシデントがあったものの、なんとか金角をマシンに戻すことに成功した。
一行は三蔵法師と一緒にいた少年・リンレイと一旦別れ、役にそのままなりすまして三蔵法師より先に天竺に向かうことにした。
ある晩三蔵法師はリンレイが妖怪と話しているのを目撃する。夜が明けると三蔵法師は妖怪に襲われ連れ去られてしまった。
先に歩いていたみんなは後方の三蔵法師の様子が気になりのび太に状況を確かめに行かせた。觔斗雲に乗って確かめに行ったのび太は三蔵法師を見つけることはできなかったが妖怪・牛魔王の住処である火焔山を発見する。しかし炎のため中を確認することができず羅刹女に芭蕉扇で吹き飛ばされてしまう。
一方で先を歩いていたみんなは銀角に襲われてしまう。なんとかマシンに回収することは成功したがちょっと目を離した隙にしずかちゃんが妖怪に襲われてしまい連れ去られてしまった。
芭蕉扇で吹き飛ばされたのび太は、吹き飛ばされた先で偶然にもリンレイに出くわした。そこでリンレイから三蔵法師のことを涙ながらに白状された。
一行は囚われた2人を救うべく火焔山に向かうこととした。
リンレイの誘導のもと火焔山に侵入を果たしたのだがリンレイがやけに内部に詳しく怪しむ。そんな中、みんな内部の落とし穴に落とされてしまい気がつくと、囚われた三蔵法師・しずかちゃんとともに牛魔王の前で縄に縛られ宙吊りとなっているところだった。
みんな捕まってしまう絶対絶命のピンチ!!リンレイは味方なのか敵なのか...
誰か助けに来てくれるのか。意外なラストが待っている。
*解説
本作はここ数作と比較すると目的が明確だったためラストの展開が想像しやすいものではありました。しかし結末としては意外性がありました。
ドラミちゃんが登場するのは"魔界大冒険"ぶりですね!
現実世界がドラえもんの道具のせいで変わってしまう、という展開は初めてではありましたが、現実世界と唐の世界を行ったりきたりする、というよりは現実世界が過去の出来事のせいで変わってしまう、という設定だったのでわかりやすいなと感じました。
パラレル西遊記の"パラレル"はパラレルワールドという意味でのパラレルではなく、もう一つの西遊記という意味での"パラレル"なんでしょうね。
少し物足りなかったのは、本作も前作・前々作と同じくシックスマン的立ち位置のキャラクターが薄いなと思いました。
リンレイはリルル(鉄人兵団)と同様最後まで敵か味方かわからないキャラクターです。ですが特段のび太たちとの絆を感じさせるエピソードはラスト以外にはなく印象に残りにくかったです...
下記気になったポイントです。
①本作よりタイムマシンにキャラクターが付与される!
→制御装置を付けたためとなっていて海底鬼岩城のバギーのようです。
しかも声優は三ツ矢雄二さん!機械にキャラクターをもたせるのにうってつけですね。
②主題歌(挿入歌)がロック!!
→映画版で初のベースが鳴り響くロック調の曲になっています。
歌詞は安定の武田鉄矢さんです。時代なんですかね〜。
*使用したひみつ道具
・タイムマシン
・ヒーローマシン
・スパイ衛星
・タケコプター
・コウモリほいほい銃
・気配アラーム
・ほんやくコンニャク
・ひらりマント
・どこでもドア
・キャンピングカプセル
・雲製造機
11個。かなり少ないです。のび太たちに能力が付与されていためですね。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・エンディング:君がいるから
・挿入歌:君がいるから
-おわり-
3/31 「ドラえもん のび太と竜の騎士」
第8回目です。
本作は初見でした。どうなるかわからないハラハラ感が最後までありました。
話の内容は大分込み入っている気がします。。
"藤子不二雄"名義としては最後のドラえもん映画作品だそうです。
・監督:芝山努
・脚本:藤子不二雄
・公開年:1987年3月14日
・上映時間:93分
*あらすじ
空き地にて。ネッシーの生存説を信じているのび太はスネ夫たちにその話をしたところ馬鹿にされる。悔し紛れにネッシーを捕まえてみせるぞと宣言。
ドラえもんに泣きついたところまだ地球上に恐竜がいるか○×占いという道具で判定してみるがいないと言われてしまう...
テストで0点ばかりとっていたのび太はドラえもんにお願いしどこでもホールという道具で空洞を見つけそこに隠すことにする。その空洞はとても広く秘密基地に最適なためしずかちゃんも誘おうとしたところその話を耳にしたジャイアン・スネ夫も一緒に行くこととなった。
みんなそれぞれにやりたいことをやって楽しんでいたのだがスネ夫だけ浮かない顔。それはいるはずもない恐竜を自宅付近でも空洞に来てからも見たからであった。みんなに信じてもらおうと空洞の先で恐竜を撮ろうとビデオをまわしていると洞窟の中に迷い込んでしまった。
一方でみなは思いのまま遊んでいたのだが地上にいるそれぞれのママに呼び戻されてしまい一旦家に戻ることとした。その間空き地にそのままにしておいたどこでもホールが壊れてしまいもう空洞に行けなくなってしまう。
失意の中にあったドラえもん・のび太だったがスネ夫がまだ地上に戻っていないことにやっと気がつく。
空洞で遊んでいる最中に拾っていたスネ夫のビデオを再生して手がかりを探してみるとどうやらタナ川の奥底と空洞が繋がっていることを発見した。ジャイアンとしずかちゃんを誘い出し川底に潜ってスネ夫を見つけるために空洞に向かうことにした。
空洞に到着しそのまま洞窟を抜けると白亜紀の恐竜がいるような世界が広がっていた。一行はその土地のカッパみたいな種族に捕まってしまうが竜の騎士バンホーに助けられる。バンホーは原始動物保護区の監察官で恐竜族(地底人)なのだ。
バンホーはスネ夫のことも助けていてスネ夫は首都エンリルにいるという。
バンホーの案内のもと船や列車を乗り継いで首都エンリルに向かうこととなった。
数々の取り調べを受けた後、一行は無事スネ夫と感動の再会を果たした!
2,3日拘束された後地上に帰してもらう約束をバンホーと交わし、それまでにバンホーの妹ローにエンリルの街を案内してもらうこととなった。
楽しく案内をしてもらっている最中、のび太だけみなとはぐれてしまいバンホーに近づくなと警告されていた建物の中に取り残されてしまう。建物内に侵入すると巨大な軍艦があり「地球人より地上を取り戻す」という作戦を聞いてしまった。
戻ったのび太はドラえもんたちに事情を話し脱出を試みるがまた別の種族に捕まってしまいバンホーに助けられそのまま船に連行されてしまう。これからタイムマシン機能も備えた巨大軍艦で地上の白亜紀時代に行き地上を取り戻すというのだ。
到着後通り抜けフープを使って軍艦を抜け出し"風雲ドラえもん城"を建立し籠城。
地底人の攻撃を何とか凌いでいるところに空から彗星が落ちてきてしまった。
その衝撃ですぐさま津波が襲ってきた。地底人たちは軍艦に引き返し避難、ドラえもんたちは"ポンプ地下室"を使い難を逃れた。
避難している中、スネ夫が今の避難場所はローが街案内の際に説明をしていた昔恐竜たちを救った聖域だということを発見する。
地底人に停戦を申し出たドラえもんはこれから起こる天変地異によってあらゆる生物が絶滅してしまうことを説明。しかし今残っている恐竜たちを聖域に一時避難させることで助かる旨を提案した。
地底人たちは提案を素直に聞き入れ聖域に恐竜を避難させ、ドラえもんたちは神様扱いされることとなった。
そして無事に地上に帰してもらったのだ。
*解説
本作は前作と同様、最後までどういったラストになるのか想像がつきませんでした。
前作以上かもしれません。
敵を倒すという結末が一番わかりやすいのですが恐竜族(地底人)が戦いを要する敵なのかは終盤までわからない。(というか勝手に地上人を敵だと思い込んでいる。)
地底人が出てくる点では「海底鬼岩城」に似ているのですがあの作品は地上人とは別世界を築いているため対立構造ではない。
また本作もシックスマンとなるはずのバンホーがいい人ながらも仲間というポジションではないのがじれったさを際立たせている気がします。。
バンホーかっこいいんですけどね、、でも素顔はアレですしイマイチ惹かれない(-_-)
個人的にはちょっとパッとしない作品かなと思ってしまいました・・・
でも興行成績は結構いいんですよね。
*使用したひみつ道具
・○×占い
・どこでもホール
・ぴっかりごけ
・インスタントルームセットお湯付き
・留守宅警報テレビ
・タケコプター
・夢風鈴
・水中酸素あめ
・ミニ探検隊
・ほんやくコンニャク
・通り抜けフープ
・こけおどし手投げ弾
・風雲ドラえもん城
・はったりバズーカ
・おどかしミサイル
・みせかけ銃
・天地逆転オイル
・ポップ地下室
・桃太郎印のきびだんご
19個。普通ですかね〜。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・挿入歌:あした・あさって・しあさって
・エンディング:友達だから
鉄矢さんまた作詞のみです。
-おわり-
3/27 「ドラえもん のび太と鉄人兵団」
第7回目です。
本作は今までで一番色が異なる作品だと感じました。
伏線の回収が少し難しくラストは何とも深〜い内容となっています。
本作からタイトルが「のび太”の”」ではなく「のび太"と"」になっているのが地味にポイントですね。"の"と"と"の違い...考察するにはまだまだ勉強が足りないためそれは後回しです、、、
・監督:芝山努
・脚本:藤子不二雄
・公開年:1986年3月15日
・上映時間:97分
*あらすじ
空き地にて。のび太はスネ夫にラジコンロボットを自慢され攻撃される。
その悔し紛れに「自分は乗れるようなロボットを作ってやる」と宣言。
家に帰ってドラえもんにロボットを作ってくれるように泣きつく。
難題を突きつけられ困ったドラえもんは頭を冷やすためどこでもドアで北極に行ってしまう。のび太は帰ってこないドラえもんを追いかけるように北極の地に足を踏み入れると、なんと空から大きな部品が落ちてきた。そのまま部品を家に持ち帰ってみると次々と空から部品が落ちてくる。
どうやらこれらを組み立てるとでっかいロボットになりそうだ。
家の庭では組み立てることができないため、誰もいない"鏡面世界”でロボットを組み立てることにした。
脳となるコンピューター部分だけ揃わなかったためドラえもんが未来デパートで購入。
人が乗れるこのロボットを"ザンダクロス"と名付けて、しずかちゃんも鏡面世界に誘い込み楽しいひとときを過ごした。ところが操縦内部のあるボタンを押すとミサイルが発射してしまった。なんと攻撃用の兵器が装備されていたのだ。
恐れた3人は3人だけの秘密としもう鏡面世界には立ち入らないことに決めた。
一晩明けると謎の少女"リルル"がのび太の元を訪ねた。
少女はロボットを探しているようだったためドラえもんに無断で鏡面世界に案内。
のび太たちが組み立てたザンダクロスはジュドーという名の少女のロボットだったのだ。
元の世界に戻るとリルルに鏡面世界に入るためのお座敷釣り堀を貸す約束をとりつけられてしまい持っていかれてしまった。
誰にも言えない秘密を抱えてしまったのび太は元気がなく浮かない顔。
のび太はある晩、部屋の窓から流れ星のようなものが見えて向かってみるとそこに貸したはずのお座敷釣り堀があり何かが送り込まれているのを発見する。
心配して付いてきたドラえもんに事の顛末を全て話した。
鏡面世界に入ってみるとリルルが地球人捕獲計画について話しているのを糸なし糸電話で盗み聞きする。リルルはメカトピア星からきたロボットで地球人を捕獲するためにこれから送り込まれる鉄人兵団の誘導係だというのだ。
リルルに見つかってしまった2人はどうにか現実世界に逃げ込んだ。さらに次元震による爆発で鏡面世界への入り口は一時閉鎖され安心する。
ところが現実世界にはザンダクロスの脳になるはずだったものが残っており鉄人兵団が地球に送り込まれることを知ってしまう。
ジャイアンとスネ夫に相談をしたところ、ザンダクロスの頭脳を改造してこちらの味方につけることをスネ夫が発案。頭脳の改造をし、今度はしずかちゃん家のお風呂からドラえもん・のび太・ジャイアン・スネ夫・ミクロスの一行は鏡面世界に入ることにした。
遅れて鏡面世界に乗り込んだしずかちゃんはリルルが怪我を負って倒れているのを発見する。
しずかちゃんの献身的な看病で回復するのだがリルルは人の心を持っておらず、裏切りを働いてしまう。
一方でしずかちゃん以外の一行は鉄人兵団をどのように誘き寄せるか考えたところ、ドラえもんがザンダクロスの脳から信号を出して、巨大な湖に誘き寄せてそこから鏡面世界に誘導することをひらめく。見事誘き寄せ作戦は成功し人間のいない鏡面世界に鉄人兵団が来襲し次々と都市を破壊した。
裏切りを働いたリルルと鉄人兵団が合流し気持ちの変化があったリルルは人間を奴隷にすることをやめるように隊長に懇願するが、隊長の怒りを買い基地に連行されることとなってしまう。
連行される前にドラえもんたちがリルルを助けた。そこでリルルは葛藤をする。
その後鉄人兵団はこの世界が人間がいないニセの世界だと理解してしまう。
どうにか地球を守るためドラえもん・のび太・ジャイアン・スネ夫は大多数の鉄人兵団相手に抵抗をしようと試みる。
一方で状況の打開策を考えていたしずかちゃんたちはミクロスの一言でメカトピアの起源・3万年前にタイムマシンで向かい、メカトピアのロボットをつくった博士に会いにいった。ロボットの始祖となったアムとイムが変われば未来も変わるかもと考えたのだ。
博士に掛け合いロボットの改造をお願いするが博士は老齢による体の衰えのため改造を途中で断念してしまう。そこでリルルが自ら改造を買って出た。
改造の先には何が待っているのか、のび太たちは助かるのか、、
今までにないラストが待っている。
*解説
本作は冒頭で述べたとおり異色の作品になっています。
のび太がドラえもんに泣きついて願いを叶えてもらいアドベンチャーがスタートするという王道の流れではありますがずっと不穏な空気が漂っています。
不穏要素の原因としては、いわゆる新たに仲間に加わることとなるシックスマン的な存在のリルルが味方なのか敵なのか最後までわからないこと、同様の立ち位置であるミクロスも後半になるまでキャラが見えてこないこと、悪の根源が最後までわからないこと、等が挙げられるかなと思います。
故にラストの意外性に驚きを隠せません。リルルのキャラクターだからこそ感動させるものがありますね。また、しずかちゃんの健気な献身性と信じ続ける芯の強さも相待って一層感動を誘います。
でも感想としてはちょっと見続けるには疲れるし内容を把握しづらい作品ではあるかなと思いました(^^;)世界を行ったり来たりしていたのも原因の一つではありますかね、、
本作の見どころとしては下記を取り上げたいと思います。
①本作よりのび太の「ドラえも〜ん」でオープニングがスタート!
→この流れは今後続くのでしょうか。映画版では定番ですね!
②リルルの掴めないキャラクター
→今までこんなに謎めいたキャラがいましたでしょうか...
③ミクロスの憎めないキャラクター
→ドジで怖がりで最後まで何も成し得ないのですが後半の存在感が際立っています。
④都市の再現クオリティの高さ
→ドラえもん作品には珍しく実在の建造物が出てきます。前作でもそうでしたがアニメーションのクオリティ向上が随所に見られます。
⑤オープニングとエンディングの粋な演出
→オープニングの空中から見た構図の伏線をエンディングで見事に回収しているのが粋です!
*使用したひみつ道具
・どこでもドア
・タケコプター
・かるがる手袋
・逆世界入り込みオイル
・お座敷釣り堀
・サイコントローラー
・スペアポケット
・糸なし糸電話
・空気砲
・ほんやくコンニャク
・金属探知チョーク
・メカ救急箱
・コンピューター睡眠薬
・瞬間接着銃
・ショックガン
・改良型山びこやま
・探し物ステッキ
・スモールライト
・ひらりマント
・即席落とし穴
・ビッグライト
・タイムマシン
22個です。ちょっと多めですかね。
のび太が自分のポケットからタケコプターを出したり、しずかちゃんが自分でタイムマシンを操縦したりと自然とみんなが道具を操っているのが気になりました。
*主題歌
・オープニング:ドラえもんのうた
・挿入歌:ポケットの中に
・エンディング:わたしが不思議
鉄矢さんがまた作詞にとどまってしまいました...
ポケットの中に、は使用率高いですね〜
-おわり-